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NPO法人の税務

質問内容

Q採算を度外視した事業の「収益事業」該当の判断基準について

質問者:杓子定規な税務判断に困ったさん  投稿日:2022.05.05  記事番号:050522105160000004

当NPO法人設立時に税務署に収益事業の開始届を提出し、税務申告を行なっています。設立以来収益事業の所得がマイナスのため法人税は納付しておりませんが、住民税の均等割を納付してきました。     
しかし。当会の事業の内容を詳細に検討した結果、当会の事業は当初から事業の性質や規模からみて収益事業には該当しないと判断されたため、税務署に収益事業開始届の取下げ申請を行うと同時に県・市町村に住民税の減免申請を行うことになりました。           税務署との争点(未解決)
税務署の見解・・申告書提出後の取り下げは認められない、税務申告している収益事業は法人税法が規定する収益事業に該当。
当会の主張・・当会の収益事業はキノコの菌打ち、市民の森トイレ掃除など市からの委託事業及びガイドブックの一部販売収入がありますが、これらは利益を目的としたものではなく、採算を度外視した活動であり、形式的には収益事業に当たるが、事業の性質(収益性など)や規模から収益事業たる事業に該当しないと判断。
しかし、NPO法人実務ガイドブックに記載の通り、所轄の税務署の担当官は収益性や規模を考慮せず、法人税法が定める、34業種に該当するか否かで収益事業の判定を行いました。
同じような体験をなさった方、結果を含めて体験談をお聞かせください。

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回答内容

A1

回答者:musashi  投稿日:2022.05.13  記事番号:051322105200000005

投稿、拝見いたしました。

 収益事業開始届出の取下げをされたとのこと。
 「錯誤(本来届出すべきでなかったのに、勘違いして届出してしまった)による取下げ」ということでしょうか。

 この場合、勘違いして提出した届出に対しては、取下げの意思表示をすれば目的は達成できると思っています。(投稿者の「取下げ申請」というと、税務署の承認がないと取下げできないでいるというニュアンスを感じました。)

 一方、既に提出された法人税の申告書に関しては「たとえ錯誤に基づいて提出されたものでも、課税実務の安定性から一旦提出された申告書の取下げは認めない。」というのが税務署の運用です。

 この場合は、「更正の請求」という別の手段でしか税金を取り戻すことができません。
更正の請求が認められるかどうかはわかりませんが、法人税の申告義務がなかったという事実を申告した者が証明する必要があるので、相当ハードルは高いと感じました。

A2

回答者:musashi  投稿日:2022.05.13  記事番号:051322105210000005

すみません。設立以来 法人税の納付はなかったのでしたね。見落としていました。

 であれば、「税務署との争点(未解決)」と書かれていますが、納税がなければ「取下書」を提出後の法人税申告書は提出しない(過去の申告については不問)という対応で、よろしいのではないでしょうか。

A3

回答者:再質問(杓子定規な税務署の対応に困ったさん)  投稿日:2022.05.22  記事番号:052222105230000007

ご回答ありがとうございます。
税務署との争点に記載した通り、解決したい課題は、所轄税務署の担当官は収益性や規模を考慮せず、法人税法が定める34業種に該当するか否かで収益事業の判定しています。当会の行っている事業はNPO法人実務ガイドブックに記載されている採算を度外視した事業であり、形式的には収益事業に当たるが、事業の性質(収益性など)や規模から収益事業たる事業に該当しないと判断しています。意見相違のまま収益事業の廃止届を出して申告もしないということで治るのでしょうか。良い解決策があればご教示いただければ助かります。

A4

回答者:musashi  投稿日:2022.05.23  記事番号:052322105250000001

 ご質問者のNPO法人が、収益事業を営んでいない(当初税務署に提出した「収益事業開始申告書」は、勘違いしてしまって提出してしまった。)のであれば、収益事業開始申告書の「取下書」を提出することで、今後、法人税の申告書は提出しないという、意思表示となります。
(税務署では、「取下書」を受理しないという判断はできないはずです。)
 
 ただし、実務ハンドブックに記載があるように、税務署が「取下書」を受理したことと、その事業が収益事業にならないと判断することは、まったく別物ですから、申告書を提出しないことにより、税務調査などを受けることがあるかもしれません。

 そのことを承知の上で、「取下書」を提出するかどうかの判断を行うこととなるのではないでしょうか。