質問者:ゲスト 投稿日:2014.04.22 記事番号:042214102080000002
お世話になります。
復興支援でトレーラーハウスを寄贈頂いた場合、償却資産税はかかりますか。トレーラーハウスは町に無償貸与し、住民が集う交流スペースと近隣生産者の産直スペースに利用する予定です。NPOはトレーラーハウスの提供と管理のみ行い。商品の販売等収益事業は行いません。またトレーラーハウスは移動可能な仕様とし建築物扱いに該当せず、固定資産税がかからない仕様になっております
ご教授のほどよろしくお願い申し上げます。
回答者:会計士深谷 投稿日:2014.04.22 記事番号:042214102100000002
ゲストさん再投稿ありがとうございます。
トレーラーハウスについて償却資産税がかかるかどうかですが、結論的にはかからないと思われます。
理由は、償却資産は、土地及び家屋以外の事業用資産で、法人の場合、減価償却費が法人税法の所得の計算上、損金に算入されるものです。
というわけですから、NPO法人の場合、収益事業を行っている場合(その場合法人税の申告が必要ですが)で、トレーラーハウスを資産計上し、減価償却費を損金(費用)計上している場合にかかるものです。
貴NPO法人でトレーラーハウスを資産計上すのか、あるいは特に何も経理処理していないのかわかりませんが、いずれにしても収益事業を行わないようですので、法人税の税務申告をしてトレーラーハウスの減価償却をすることはないものと予想されます。ですから償却資産税はかからないというわけです。
回答者:会計士深谷 投稿日:2014.04.24 記事番号:042414102110000004
ゲストさん
前回において間違った回答をしてしまったようです。申し訳ありません。
償却資産とは、税法上(法人税法、所得税法)の所得計算上、減価償却の対象となる資産ということです。そして、実際、減価償却費を計上してもしなくても償却資産税の対象となります。また、法人税、所得税を課されない者が所有するものも含まれるということです。
ゲストさんがおっしゃるように、建築物や車両はそれぞれ固定資産税や自動車税が課されますので償却資産税の対象から除かれます。
ご質問のトレーラーハウスは移動可能な仕様ということなので建築物には該当しないと思われますが、果して車両に当らないのか、また当らないにしても償却資産に該当しないものなのかもう少し検討させてください。
とりいそぎお詫びと訂正まで。
回答者:ゲスト(質問者) 投稿日:2014.04.28 記事番号:042814102120000001
お世話になっております
ご回答頂き誠にありがとうございます
私も建物扱いではないため、固定資産税等は一切かからないと聞いていたので、支援先にNPO法人を紹介しましたが、償却資産税がかかるとなると、NPO法人に負担がかかってしまうため、心苦しく、困っています。
寄付の条件で、営利目的の使用はできないため、税負担だけがかかってしまい、復興支援と言いながら、負担をかけてしまいます。
今後ともご指導、アドバイス等よろしくお願いいたします
回答者:会計士深谷 投稿日:2014.04.28 記事番号:042814102130000001
ゲストさん
前回に引続き回答いたします。なお、トレーラーハウスに関しては未だ明確に確立された判断基準はないようですので、私が現時点で調査した範囲において回答させていただくことをご了承願います。
先ずは「日本トレーラーハウス協会」のホームページが理解に大変役立ちます。
そこでは、神奈川県建築行政連絡協議会(H22.11.17)「車両を利用した工作物の取扱い」及び「横浜市でのトレーラーハウスの取扱い(2014.4.24)」が紹介されています。
そしてそこでは、トレーラーハウスが、適法に公道を移動できるために必要となる道路運送車両法、道路法、道路交通法、自動車損害賠償報償法等の規定を満たせば「車両」として取扱い、そうでなければ「建築物」に該当するとしています。
かなり厳しい判断基準が示されています。これはトレーラーハウスを違法に設置する例が多いことに原因がありそうです。
ご質問の場合、移動可能な仕様になっているということですが、上記のような判断事例がありますので、一概に建築物として固定資産税の対象にならないとはいえないと思います。
一方、償却資産は、土地家屋以外の事業用資産で減価償却の対象となるものですが、トレーラーハウスがこのうち何に該当するかは判断が難しいです。ちなみに某市の資産税課に照会してみたところ、本ケースのような場合、償却資産のうち「車両及び運搬具」(償却資産:第5種)よりも「構築物」(償却資産:第1種)に該当するのではないかということでした(ただし明確な根拠は教えていただけませんでした)。
現行においては、トレーラーハウスを建築基準法の建築物とするか(家屋として固定資産税の対象)、車両とするか(自動車税の対象)、また構築物として償却資産税の対象とするか、必ずしも明確な基準があるとは思えません。
いずれにしても何も課税されないといことはありえず、いずれかの地方税が課税されるものと考えた方が間違いないと考えます。
いずれに該当するかはトレーラーハウスの形態によりケースバイケースと思われます。所轄の町に相談されることがよろしいかと考えます。
ただ、ご相談のケースでは、復興支援の一環でトレーラーハウスを町に無償貸与し住民の交流スぺ-スなどとして利用予定だということなので、そのことを十分に町にアピールすれば税金を減免していただける可能性はあると考えます。
また、どうしても減免してくれないといういのであれば、税金と同額の賃貸料を町からいただくという方法(結果的に相殺されて支払ゼロ)も交渉してみてはいかがでしょうか。