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NPO法人の税務

質問内容

Q解散時の借入金残高と正味財産の処理

質問者:プラントール  投稿日:2020.03.28  記事番号:032820104010000006

2020年3月末での解散を目指しているNPOです。同じ年度末の通常時の決算では、借入金が500万円あり、正味財産は300万円(内、当期利益100万円)あると仮定します。先日、ある司業の方から、解散時には借入金、正味財産ともできるだけ0に近づけるよう助言を受けました。
 正味財産は定款により、他のNPOや社会福祉法人あるいは公益財団法人等に寄付することは、予め理解できておりました。しかし、借入金も0にする必要があることを、そのとき初めて知りました。借入金500万円の債権者は私ですので、債権を放棄するつもりですが、そうすると寄付金収入が500万円増えます。

 ここから後のことが良くわかりません。仮にこの500万円を当期事業損益に加算すると当期利益が600万に膨らみ、法人税は、約150万円と見積もることができます。従って、当期純資産増は450万になり、前期までの正味財産200万円を加えると650万円に膨れ上がります。
 結局、法人税も含めると800円が出て行くので、未払金や預り金、未払報酬等に対応する一部資産を除いて、その他すべての資産が失われることになります。納得できない気がします。
 専門家のお立場から、勘違いしている点や問題点等をご指摘頂ければ幸いです。
 

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回答内容

A1

回答者:岩永清滋  投稿日:2020.04.13  記事番号:041320104020000001

お返事が遅れました。
専門家の方が指摘される借入金をできるだけゼロに近づけるというアドバイスは、解散時に債務超過の状態ですと正式には解散手続きではなく破産手続きに移行しなければならないので大変だという趣旨だと思います。
したがって最終的にはプラスマイナスゼロの状態が最も良いことになります。プラスですとおっしゃるように今度は残余財産の分配の問題が生じます。
ではどするのかという話ですが、仮定をおいてお話します。ご質問者の前提をそのまま使うと、借入金500、正味財産300となり資産があわせて800あることになってしまいます。それであれば800の資産からまず借入金500を返済して、最後に残余財産が300あることになり、質問の前提がゆらぎます。
そうではなく借入金500があり、資産が100しかないので、正味財産がマイナス400となる前提でないとご質問が成り立ちません。
この場合は、まず資産の100を借入金返済にあてます。そうすると資産ゼロ、借入金400、正味財産マイナス400の状態になります、そこで残りの借入金400を免除するわけです。つまり借入金の全額を債務免除するという仮定に立たないで、最後の正味財産をにらみながら免除額を決定するわけです。