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NPO法人の税務

質問内容

Q収益/課税事業の該当性について

質問者:マルメン  投稿日:2026.01.04  記事番号:010426107700000007

当NPO法人では次の2種の事業を実施していますが、収益/課税事業に該当するか迷っています。次の考え方で、いずれの事業も非該当と整理してもよろしいでしょうか。
・事業①については、22種の技芸教授業にはあたらない
・デザインに関する研修も実施しているが、年1回程度で、継続・反復性がなく、収益/課税事業にあたらない(今後、実施数が明らかに増えた場合は再検討)
・事業②については、事業①のメニューの実施のほかは助言するのみであり、請負業にあたらない(調査・研究・実証を行うのは依頼元)

事業①:研修/セミナー
メニュー1:ナッジ研修の開催(のべ年5-8回程度)
 自治体などからの依頼を受けて、ナッジ(※1)に関する座学研修/セミナーを実施
メニュー2:ナッジワークショップの開催(のべ年3-5回程度)
 自治体などからの依頼を受けて、ナッジに関するワークショップ研修を実施
メニュー3:デザイン研修の開催(年1回程度)
 自治体などからの依頼を受けて、チラシなどのナッジを活用したデザインに関する座学研修を実施
事業②:顧客の課題解決に向けた伴走支援(年1-2件)(※2)
 自治体などからの依頼を受けて、半年ほど時間をかけて課題分析、ナッジの設計、実証試験、結果分析に関するアドバイスを行う。

※1 人間の心理や行動特性を踏まえた、望ましい行動を実行しやすくするための手法
https://www.stat.go.jp/dstart/point/lecture/08.html
※2 事業②では、事業①のメニューの研修/WSも実施

(その他参考情報)
・1回・件あたりの報酬額
 旅費交通費等の実費+人件費(数千円/時間/人程度)
・成果物(資料・分析結果・設計物)の帰属先
 成果物がある場合、帰属先は依頼元
・理事・会員に対する報酬
 内部規定に基づく旅費交通費などの実費弁償のみ。(ほとんどの理事・会員が公務員のため、給与支給はしない)
・法人としての利益(人件費分)は、法人運営費用および無償のセミナー・WS等に活用

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回答内容

A1

回答者:musashi  投稿日:2026.01.05  記事番号:010526107710000001

よく内容がわかるご質問ありがとうございます。
私見ですが、投稿いたします。

・事業①:研修/セミナーについて

 ご質問にもあるとおり、セミナーが技芸教授業の22の技芸に該当するかどうかですが、ナッジの理論を学ぶ講座であれば、22の技芸にはあたらないので、回数に関係なく収益事業にならないと判断しました。
 この場合、デザインの講座が気にはなるのですが、デザインの手法(テクニック)よりも、活用事例の効果を学ぶ構成であれば、デザインの教授にはあたらないと判断しました。
 また、委託料や回数もそう多くはなく、事業として申告することで、7万円の住民税均等割納税を余儀なくされる規模でもないという考えもしました。

・事業②:顧客の課題解決に向けた伴走支援について

 自治体などからの依頼に基づいて行う都市マスなどの各種計画のコンサルであれば、法人税法基本15-1-27(請負業の範囲)に規定された「他の者の委託に基づいて行う調査、研究、情報の収集及び提供」に該当することが多いと考えていますが、伴走支援として助言のみ(調査・研究・実証を行うのは依頼元)であれば、単なる知見の提供であり、事務処理を伴うものではないため、請負業(事務処理の委託を受ける業)にはあたらないと判断しました。

参考になれば 幸いです。

A2

回答者:マルメン  投稿日:2026.01.07  記事番号:010726107720000003

投稿者です。
musashi様、ご回答いただき誠にありがとうございました。
大変参考になりました。

1点、デザインの研修については、勿論事例紹介もいたしますが、ナッジの視点を踏まえ、相手に伝わる方法や考え方を教える場になりますため、正直、収益事業に近しいと考えています。
一方で、実施回数は年1回程度なので、反復にはあたらないか、という整理が可能かどうか迷っております。
副案としては、ナッジの理論の研修と合わせて実施するため、ナッジ理論の一つの活用の仕方という括りで整理できないか、とも思っております。

ご意見いただけますと幸いです。

A3

回答者:musashi  投稿日:2026.01.09  記事番号:010926107730000005

 「学校法人等が行うバザーで年1、2回開催される程度のものは、物品販売業に該当しないものとする。」という法人税法の通達(15-1-10)がありますが、バザー以外ものは、年1回でも毎年継続すると、反復にあたるかと思います。
 しかし、反復するからといってそれが法人税の対象となる収益事業に該当するかについては、いろんな意見があります。

1)[新訂]] 詳細公益法人課税(武田昌輔著)【QAの本文から抜粋】

 たばこやドリンクの自動販売機については、収入が月額30,000円程度である点から見ますと収益事業に該当しないと解すべきです。すなわち、収益事業は収益を目的として、反復、継続的に行われる行為をいうものと解さていますが、私見としはある程度の規模を有していることが必要であると考えます。

2)公益法人の税務(若林孝三・鈴木博共著)【QAの本文から抜粋】
 
 自動販売機を設置して行う飲料等の販売も物品販売業に該当することになりましょう。

 最初に私見を述べたとおり、デザイン研修が法人税の申告のためのコスト(住民税の均等割や税理士報酬など)に見合う事業性があるかどうかを、他の方の意見も参考に判断してください。
 その際には、収益と費用が均衡している場合(実費弁償)も収益事業に当たらない(法人税法基本通達15-1-28)と考えられますので、その点も事業性の判断基準に加えていただいて大丈夫かと存じます。

A4

回答者:マルメン  投稿日:2026.01.11  記事番号:011126107740000007

投稿者です。
musashi様 ご回答いただきありがとうございます。
いただいた回答を踏まえ、必要に応じて税理士とも相談してまいります。
この度は誠にありがとうございました。感謝申し上げます。