質問者:国広 投稿日:2019.06.04 記事番号:060419103740000002
初めて質問させていただきます。
収益事業が黒字となったため、当期初めてみなし寄付金制度を適用しようと考えております。
制度の概要は掴めてきたのですが、会計上の処理方法が分からず困っています。
どういった仕訳を切ればいいのでしょうか。
なお、資産・負債は収益事業、非収益事業の区分経理はしておらず、NPO法上のその他の収益事業は行っておりません。
回答者:税理士 白石京子 投稿日:2019.06.04 記事番号:060419103750000002
回答が遅くなり申し訳ありませんでした。
みなし寄附金の会計処理に関する明確な規定はないと思いますが、
期末に非収益事業から収益事業に現預金を繰入れる場合の仕訳ですと、
(収益事業)
他会計振替額 / 現預金
※他会計振替額を、法人税の申告の際に別表14の支払寄付金として申告します。
(非収益事業)
現預金 / 他会計振替額
他会計振替額は、
全体の活動計算書では相殺されます。
NPO法人会計基準では、その他の事業を行っていても区分経理ができない等の場合、貸借対照表の区分は必要とされていませんが、
法人税法では、原則、収益事業に係る損益計算書と貸借対照表を作成して添付することになっています。
他に気になりますのは、
収益事業が黒字になったので、初めてみなし寄附金をするとのことですが、
もし、これまでが赤字だったとすると赤字分は非収益事業の会計が補てんしていたと思われます。
今回、黒字になった分の一部を非収益事業へ寄附して、
残りの資金で翌期の事業をされるのであれば良いのですが、
税務調査の際に、現預金が不足して、ただちにみなし寄附金分の現預金を戻入していると認定された場合には、
みなし寄附金とは認められない可能性があります。
収益事業の規模や内容などわかりませんが、
(税務調査では)説明ができるようにされておいた方がよろしいかと思います。
不明点があればまたご質問ください。
よろしくお願いします。
以上。
投稿日:2019.05.13