質問者:ran 投稿日:2023.05.07 記事番号:050723105660000007
NPO法人で、障がい者グループホームを経営した場合、下記の非収益事業に該当しますか?
実費弁償方式(1個々の契約ごとにその都度実費精算が行われるもの、2ごく短期間に実費精算が行われるもの、3手数料等の額が法令により実費弁償の範囲内で定められ、仮に剰余金が生じた場合には手数料を減額する等の適正な是正措置を講ずることになっているもの)
により行われるもので、あらかじめそのことについて税務署長の確認を受けた場合については、収益事業としないものとされ(法人税基本通達15-1-28)、また、その障害福祉サービスに従事する者の半数以上が身体障害者等であり、かつそのサービスが身体障害者等の生活の保護に寄与している場合については、収益事業に含まれないものとされますので(法令52二)、いずれかの場合に該当するときには法人税の納税義務はありません。
回答者:musashi 投稿日:2023.05.10 記事番号:051023105680000003
私見ですが、回答したいと思います。
〇NPO法人で、障がい者グループホームを経営した場合、下記の非収益事業に該当しますか?
→ご質問の「障がい者グループホームを経営」は、障害者総合支援法に規定された障害福祉サービス(共同生活援助)と考えて回答させていただきます。
〇実費弁償方式(1個々の契約ごとにその都度実費精算が行われるもの、2ごく短期間に実費精算が行われるもの、3手数料等の額が法令により実費弁償の範囲内で定められ、仮に剰余金が生じた場合には手数料を減額する等の適正な是正措置を講ずることになっているもの)
により行われるもので、あらかじめそのことについて税務署長の確認を受けた場合については、収益事業としないものとされ(法人税基本通達15-1-28)
→共同生活援助事業について、「実費弁償の確認」が受けられるかとうかですが、極めて難しいものと考えます。理由としては、共同生活援助事業が単に赤字というだけでなく、将来も常に赤字で利益が生じないという仕組みであるということを、税務署長に認めてもらう必要があるからです。共同生活援助で黒字になっている法人もあるでしょうから、認められる可能性は低いでしょう。
〇また、その障害福祉サービスに従事する者の半数以上が身体障害者等であり、かつそのサービスが身体障害者等の生活の保護に寄与している場合については、収益事業に含まれないものとされますので(法令52二)、いずれかの場合に該当するときには法人税の納税義務はありません。
→まず、「従事する者」の解釈ですが、GHの入居者はサービスの受け手であり、従事している者ではないと考えます。
また「生活の保護に寄与している場合」の解釈も、「身体障害者等に給与等として支給しているか否かによって判断すべきものと解される」(平成元年8月28日裁決 裁決事例38-135頁)とされています。
従いまして、共同生活援助事業には、法令5②二の適用はないと考えます。
しかし、ご質問にある非課税規定等の適用は難しくても、共同生活援助事業が、「そもそも収益事業の中の「医療保険業」や「請負業」に該当しない。」という見解を持っている税理士や公認会計士もいますので、「NPO法人実務ハンドブック」(清文社)なども参考にしていただければ幸いです。