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質問内容

QPSTの寄付金の条件について

質問者:エザキ  投稿日:2015.02.05  記事番号:020515102520000004

こんにちは。
茨城県のNPO法人で、国税の認定は取得しているのですが、所轄庁の認定を初めて申請します。

以下について、所轄庁から指摘を受けましたのでご教示ください。

・PSTの寄付者にカウントできるのは、名前、住所、がわかる人のみ
住所は個人の場合は自宅住所のみ、法人の場合は法人の住所

→住所が勤務先しかわからない個人が混ざっておりましたが、他の方法(たとえば電話番号)などではダメですか?と聞いたところダメとの見解でした。

・旧公益法人は、特定公益増進法人と同じ扱いになる
→根拠を教えてほしいといわれています

・寄付付商品の購入価格
2500円でTシャツを販売した場合、1枚あたり1000円が寄付になります、とうたっていたため、1000円だけを寄付としてリストに入れたところ、2500円全額が寄付ではない扱いなのではないか、との指摘がありました。
任意性が無いからとのお考えでした。

・実績判定期間はH24年4月からH26年3月までです。

H24年4月に入金のあった助成金のうち、H23年3月に事業完了しているものの
清算が年度を超えて入金になりました。
H23年度に未収金をたてていたため、H24年に実際に入金になりますが、活動計算書には反映していません。

活動計算書の合計金額と内訳が合わないのはなぜかと疑問に思われているようです。

未収未払いで活動計算書と実際の寄付の動く等が合わないケースはありますでしょうか?


よろしくお願いいたします。

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回答内容

A1

回答者:脇坂誠也  投稿日:2015.02.10  記事番号:021015102530000002

・PSTの寄付者にカウントできるのは、名前、住所、がわかる人のみ
住所は個人の場合は自宅住所のみ、法人の場合は法人の住所

→住所が勤務先しかわからない個人が混ざっておりましたが、他の方法(たとえば電話番号)などではダメですか?と聞いたところダメとの見解でした。

●PSTの絶対値基準導入前は、PSTの相対値基準の計算から除かれる寄付は、「寄付者の氏名または名称が明らかでない寄付金」とされており、その意味は、寄付者についての確認ができない寄付金のことをいい、寄付者を特定するために荷は少なくとも氏名のほかに住所又は電話番号が必要になります。とされていました(認定NPO法人制度の手引き(六訂版)Q&A問13

 絶対値基準導入後は、PSTから除かれる寄付金は「寄付者の氏名及びその住所が明らかでない寄付金」とされ、「パブリックサポートテスト(PST)上の寄附金として取り扱うためには、寄附者が確認(特定)できること、つまり、氏名(名称)のみならずその住所又は主たる事務所の所在地も明確になっている必要があります。」とあります。(認定NPO法人制度の手引き(八訂版)Q&A問22

解釈の問題ではありますが、従来は「又は」でしたので電話番号でもOKだったが、「及び」になったのだから、住所がわからないとダメというのが国税庁、その後の所轄庁の解釈と思われます。

特定できるのなら、住所もわかるでしょう、と言われればそうかもしれませんし・・。

・旧公益法人は、特定公益増進法人と同じ扱いになる
→根拠を教えてほしいといわれています

●旧公益法人は、必ず特定公益増進法人になるとは限りませんでした。

 つまり、特定公益増進法人であった旧公益法人もあるし、そうでなかった旧公益法人もあります。

 現在、旧公益法人のうちどの法人が特定公益増進法人であったか、そのリストの所在地はわかりませんが、調べればどこかにはあると思います。

 その法人に聞くのが一番早いと思いますが。


・寄付付商品の購入価格
2500円でTシャツを販売した場合、1枚あたり1000円が寄付になります、とうたっていたため、1000円だけを寄付としてリストに入れたところ、2500円全額が寄付ではない扱いなのではないか、との指摘がありました。
任意性が無いからとのお考えでした。

●1500円でそのTシャツを買うという選択肢がないのであれば、2500円が対価とされても仕方がないのではないかと思います。

・実績判定期間はH24年4月からH26年3月までです。

H24年4月に入金のあった助成金のうち、H23年3月に事業完了しているものの
清算が年度を超えて入金になりました。
H23年度に未収金をたてていたため、H24年に実際に入金になりますが、活動計算書には反映していません。

活動計算書の合計金額と内訳が合わないのはなぜかと疑問に思われているようです。

未収未払いで活動計算書と実際の寄付の動く等が合わないケースはありますでしょうか?

●NPO法人会計基準では、返還義務のある助成金等を未収計上しますので、会計処理としてはあっていると思います。

 一方、認定制度では、受入寄付金総額は、入金時に計上するというのが今までの扱いでした(あくまでも国税庁の解釈ということですが)。そのような場合に、会計上の扱いとPSTの扱いに差額が出るということではないか、と思います。

所轄庁の手引きでは、私が見ている東京都のものには、「活動計算書の収益の部の受取寄付金及び助成金の合計を記載します」とあり、さらには、「受取寄付金は、実際に入金したときに収益と計上します」とあります。ということは、助成金については、会計基準で定められている未収経理や前受経理を想定しているようにも読めます。

つまり、従来は、PSTの受入寄付金は、入金時の金額を計上するというのが国税庁の運用でしたが、会計基準の処理を尊重して、受取寄付金は現金主義だが、助成金等は、会計基準で未収、前受計上しているのであれば、活動計算書に計上されている金額をそのまま載せるという運用に代っているのではないかと思います。

今まで通り現金主義で申請して、活動計算書と差が出るときは、その理由を説明して、あとは、それを所轄庁が尊重するか、それでも活動計算書と一致させるようにというかどうかは、所轄庁の運用の問題と思います。

よろしくお願いします。