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NPO法人の税務

質問内容

Q未払金の計上について

質問者:k  投稿日:2023.01.14  記事番号:011423105510000006


状況:役員が給与分を超えて働いた分の支払いが、支払えない状況です。無償ボランティアとして計上せず、できれば今後収入が増えた際に、働いた分を支払えるようにしたいです。(最も多い役員で1人数百万円に当たります)

質問;この場合、どのような勘定項目で仕分けをしたらいいのでしょうか。以下の方法に関して教えていただきたいです。また他に方法があればご教示いただけますとありがたいです。

■人件費(または講師謝金?) の未払いとして計上する場合
Q1:すでに源泉徴収に関し税務署に提出をしていますが、変更手続きをする必要があるでしょうか。
Q2:未払金(負債)が多いNPOの場合、何か損をすることがあるでしょうか。

■利息なし、期限なしの役員借入金としてまたは寄付金として計上する場合
Q1:これらの場合が可能かどうか、デメリットがあれば教えてください。

素人ですみません。よろしくお願いいたします。

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回答内容

A1

回答者:musashi  投稿日:2023.01.18  記事番号:011823105520000003

投稿 拝見いたしました。
 会計上処理されていない多額の未払金があるようなので、NPO法人の運営としては、非常に好ましくない状況だと感じています。

〇状況:役員が給与分を超えて働いた分の支払いが、支払えない状況です。

→役員の方で残業代が発生していると考えると、「使用人兼務理事」(理事長や副理事長など役付ではない)前提で回答します。

■人件費(または講師謝金?) の未払いとして計上する場合
Q1:すでに源泉徴収に関し税務署に提出をしていますが、変更手続きをする必要があるでしょうか。

→給与支払事務所の開設届のことでしょうか。職員給料や役員報酬などを今後も支払うのであれば、そのままで変更の手続きは必要ありません。
 給料手当の未払金(役員借入金)とする場合には、本来支払う必要がある給料月に上乗せして給料計算を行い、源泉所得税の控除も行います。その際に、支払えなかった部分を未払金(役員借入金)で経理することになります。おそらく、源泉所得税の追加納付も必要となります。
 なお、雇用契約のある方に給料とともに講師謝金を支払うことは考えにくいです(通常は講師謝金は、給料の上乗せという考え方)。

Q2:未払金(負債)が多いNPOの場合、何か損をすることがあるでしょうか。

→NPO法人の資産より負債が多い場合、債務超過の状態となります。法人の債務につき財産をもって完済をすることができなくなった場合であるのに、理事または監事が破産手続開始の申立てをしなかったときには、役員に20万以下の過料が課されます(NPO法80六)

■利息なし、期限なしの役員借入金としてまたは寄付金として計上する場合
Q1:これらの場合が可能かどうか、デメリットがあれば教えてください。

→役員借入金とした場合、NPO法人には支払義務が生じますし、寄付金とした場合は、役員が働いた分の金銭債権を放棄することになります。いずれにせよ、後日のトラブルを避けるため、書面を作成することをお勧めいたします。

 最後に、このような投稿のやりとりでは、問題はなかなか解決できないかと存じます。まず、理事会を開いてNPO法人の状況をきちんと把握してもらうことが大切ですし、場合によっては、会計や税務の専門家に個別にご相談されて下さい。